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笹幸恵
2023.1.4 18:29皇統問題

宇山卓栄の少しも論理的でないネット配信記事

眞子さん、小室圭さんの結婚で猛烈にバッシングをしていた
宇山卓栄という著作家が、皇統問題についてJBpressに書いている。

愛子様が旧宮家の男系男子と結婚すると何が起こるか?
皇位継承の論点を考える
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73355


この記事、そもそも前提が間違っている。
「愛子様が旧宮家の男系男子と結婚したら」
という仮定で話が進んでいるのだ。
なぜそうなるのか、さっぱり意味がわからない。
皇位継承の論点は、そこではない。

最初からズレているだけではない。
前後の文章がまったくつながっていない。

とりあえず簡単にまとめてみる。

有識者会議が提案した骨子、
①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する
②皇統に属する男系の男子が養子になり皇族に復帰する
を最初に紹介したあと、おおむね次のようなことを
記している。

「愛子様と旧宮家の男系男子が結婚したら、
そのお子様は男系の血統になるので、
男系派の一部は賛成するだろう」

「しかし南北朝時代のような『宗系の紊乱』が
起こる可能性がある」

「骨子案①は直ちに女性宮家の創設にはならず、
一代限りの限定的宮家を想定している」

「しかしそれはおかしいという世論が形成されれば
日本の歴史にはなかった本格的女性宮家の創設に
舵を切るのではないか」

「骨子案②の養子縁組も『宗系の紊乱』になるとして
反対する見方もある」

「愛子様が皇統に属する男系男子と結婚し、
養子縁組することだけ反対という声もある」

?
??
???


・・・で、何を言いたいの???
まとめようとしたけど、挫折した。
話も前後していて、おそらく書いた本人も
自分が何を言っているのか
根本的にわかっていないのではないか。

有識者会議の報告書の内容を批判しているのか?
女性宮家の創設に反対しているのか?
養子縁組に反対しているのか?
「〜という声もある」というのを列挙しているだけなので、
本人がどのような考えでこれを綴っているかも不明。

しかしなぜか「愛子さまが男系男子と結婚する」という
仮定だけは、動かぬ前提となっている。全く謎だ。


で、最後にこう記している。
「いずれにしても、皇室のご結婚は皇室だけの問題に留まらず、
一歩間違うと、眞子様のご結婚の時がそうであったように、
世論も巻き込んだ社会騒動になり得ます。
国民世論が真っ二つに割れ、分断されることにさえなりかねません。
したがって、皇室の結婚は、あらゆる影響が考慮され、
慎重な上に慎重さを重ねて、少しでも良いものになるよう
努力されるべきものなのです」

恐ろしいほど空っぽ。
「国民世論が真っ二つに分断される」
「慎重な上にも慎重さを重ねて」
こんな文章で、何かを語ったつもりになるな。

そもそも宇山が綴っていたのは皇位継承の論点ではないのか。
いつの間に皇室の結婚の話になった?
眞子さんの結婚のときの騒動と同一視できるか?
というより、眞子さん小室さんバッシングの急先鋒として
騒動を起こしていたのは宇山自身ではないか。
どの口が言う。

書いてある内容を理解しようにも、
あまりに文章が稚拙すぎて、どうにもならない。
悪文の典型。

こんなもの配信するな。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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